9日、世界的な指揮者として名高い小澤征爾さん（88歳没）が6日に東京都内の自宅で死去していたことが明らかになった。死因は心不全だという。葬儀は近親者で既に執り行ったといい、後日改めて、お別れ会を開催することを予定しているという。

　小澤さんは1935年旧満州の奉天生まれ（現在の中国・瀋陽）、少年時代から指揮者を志し、24歳（1959年）の時にフランスに渡り、同年、パリ（仏）で開催された第9回ブザンソン国際指揮者コンクールで日本人として初優勝。その後も著名で20世紀後半のクラシック音楽界を牽引してきたとされる指揮者（ヘルベルト・フォン・）カラヤン（墺）《1909－1989》や（レナード・）バーンスタイン（米）《1918-1990》などに弟子入りしその才能を認められたり、世界各国の名門楽団との共演を通じ、少しずつ世界的な知名度を得ていった。ついに1961年にはニューヨーク・フィルハーモニーの副指揮者に抜擢され、シカゴ交響楽団、トロント交響楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団などで指揮者を担当し、1970年にはサンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任（76年まで）、1973年にはアメリカ五大オーケストラの一角を占めるボストン交響楽団で音楽監督（第13代）を29年間務めるなど、「世界の小沢」としてクラシック音楽界での名声を確実なものにした。