新幹線での乗客同士のトラブルは枚挙にいとまがないが、今回のトラブルは「グリーン車」でのトラブルということで、注目を集めている。

　鉄道好きな大学生という「旅鉄N」というX（旧ツイッター）のユーザーが自身の体験談として投稿したもので、同氏が、8月中旬に東京から大阪へ向かう東海道新幹線の「のぞみ号」のグリーン車でくつろいでいたところ、「自由席」の券をもつ高齢男性が近づいてきて「席を譲れ」と要求。頑固に要求を繰り返し、結局周囲の客や車掌が仲介し、事なきをえたというものだった。新幹線でも「グリーン車」といえば聖域のようなイメージでトラブルと無縁のような気もするが、いったいなぜ「旅鉄N」氏はこんな目に遭ってしまったのだろうか？

　「旅鉄N」氏は、8月中旬の東京から新大阪に向かう東海道新幹線の「のぞみ号」のグリーン車に乗っていたという。同氏はいつも新幹線の車内で快適にすごすために普通車ではなく、「グリーン車」をあえて選んでいるという。その時も、グリーン車の車内で快適に過ごしていたが、途中の新横浜駅で問題となる高齢男性が乗り込んできて事態は急変する。

　グリーン車に乗ってきた高齢の男性は、グリーン車の席に座る「旅鉄N」氏に「席を譲れ」といきなり話しかけてきたという。

「席を譲れ」という高齢男性の説得を試みるも、逆ギレされる…

　その時のやり取りを下に示した。

高齢の男性「席を譲れ」

旅鉄N「すいません、自分この席で間違い無いので…切符を見せていただいてもよろしいですか？」

高齢の男性　（切符を旅鉄N氏に見せる）

旅鉄N「ここは指定席なので、自由席は前の方の号車ですよ」

高齢の男性「そんなん知らねぇよ。席譲れ」

旅鉄N「…」（あ然）

　旅鉄N氏によると、その高齢の男性は見るからにく難しい感じであったといい、暴力に訴えるなどの行為はなかったという。周囲の乗客も気にかけていた様子で、周囲にいた3人の乗客がすぐさま高齢男性とその「旅鉄N」氏の間に入り仲介を試みてくれたという。

　その後、車掌がやってきて事情を話したところ、その高齢男性を説得するなどし、解決に乗り出してくれたということだが、車掌の対応を見て「旅鉄N」氏は「車掌さんは大変だなと心の底から感じた出来事でもありました」とXに投稿していた。

なぜ、旅鉄N氏は高齢男性にからまれてしまったのか

　旅鉄N氏は自身がその高齢男性にからまれた原因・理由などを冷静に推測している。理由として、①周りの乗客に比べて自身が明らかに若く見えたこと

②1番後ろの列で出入り口に近かったから

と分析している。

　まいどなニュースの取材に対して、「旅鉄N」氏は「ただただ困惑でした」と話していたといい、高齢男性の行動に不快感を示していた。

　なぜ「自由席」の券のはずの男性が、「グリーン車」の席に座ろうとしたのか、まったくこれらの情報からは判断できないが、8月中旬というとお盆も重なり繁忙期のシーズンで、自由席では車両内で席がなく立たざるを得ないケースが多い。そういう中で、グリーン車で座ってやろうというよこしまな魂胆があったのかもしれないし、そもそも「自由席」と「グリーン車」の区別がつかないような高齢男性であった可能性もある。

　真相はわからないが、世の中にはいろんな人がいて、迷惑なおじさんや高齢者もいるということや、話し合っても理解しあえないことは往々にしてあるということだろう。「旅鉄Ｎ」氏は本当に気の毒でしかないし、わざわざ多くお金を支払って乗車したグリーン車でひどい目に遭っており、同情せざるを得ない。だが、一方で高齢化が進む日本で、「キレる」老人が増えていると言われる中、こうしたトラブルは今後も増えていくのかもしれない。