今月4日、東京都小金井市の武蔵野公園で11月4日から5日に開催された「武蔵野はらっぱ祭り」の最中、6人の10代から50代までの男女が嘔吐（おうと）の症状などの体調不良を訴え、そのうち5人が病院に救急搬送されるという事件が発生した。

　彼らは、来場者として公園を訪れていた目の不自由で杖をついた40代男性から、大麻成分とよく似た化合物を含むグミを受け取っていたことが分かった。その男性は「食べると元気になると思い、他の人にも食べてほしいと思った」や「おいしかったので配った」などと駆け付けた警察官に説明したといい、まったく悪意はない様子だったという。

　同様に、3日の地下鉄半蔵門線の押上駅（東京・墨田区）のホームでも、”大麻グミ”を摂取した20代の男女4人が体調不良を訴え緊急搬送されたり、15日（昨日）の深夜にも板橋区（東京）のマンションで20代の男女が手の痺れや動悸（胸が詰まったり心臓が苦しくなるような症状）など体調不良を訴え119番通報し救急搬送されたりするなど、”大麻グミ”が関連するとみられる事件が相次いでいる。

　このいわゆる”大麻グミ”には大麻由来の成分「THC」（テトラヒドロカンナビノール）によく似た合成化合物が含まれているといい、その成分「HHCH」（ヘキサヒドロカンナビヘキソール）と呼ばれるもので、まだ法規制の対象外の成分だ。このグミは大阪市の会社が製造していたという。

　最近ではステレオタイプ（固定観念）的なあぶったりタバコのようにパイプで煙を吸ったりするイメージがあるが、お菓子や料理など食品などに混ぜて消化器官から摂取するタイプの大麻が世界的に流行っているといい、その手軽さや直接的に大麻を摂取していることを感じさせないことから、若者を中心とした日本国内での違法な大麻の蔓延に拍車をかけている。