日本テレビ系列で毎年夏に放送されるチャリティー番組『24時間テレビ』の寄付金をめぐり、日テレ系列の地方テレビ局の幹部職員が管理していた寄付金を着服していたことが明らかになった。そのち着服した幹部の男が、今月9日にそのテレビ局に税務調査が入ることで発覚する前に、着服を申し出て判明したという。

　27日付けで幹部の男性は懲戒解雇処分となっていて、「日本海テレビ」の田口晃也会長は引責辞任し、西蔦一泰社長は報酬3か月分を返上することを発表。28日に、地元警察・鳥取県警鳥取署に被害届を提出していて、今後男性は被疑者として捜査されることになる。

　同テレビ局は公式HPに出した声明文で、今回の幹部職員の行為について「善意を踏みにじって私服を肥やした行為で到底許せない」と断罪。また10年間寄付金が着服され続けたことについてテレビ局として、監督不行き届きを謝罪した。「公共の電波をお預かりする立場として、あってはならない事態を引き起こした」とし責任を認め、再発防止と信頼回復を目指すと付け加えた。

　テレビ局の調査で、着服した男性は親族のために着服したお金を用いたほか、パチンコのためや食事など個人的な欲求を満たすためにも使用したといい、「着服しても発覚しにくいお金があり、思いついた」として事件の悪質性がうかがえる。

　さらに、同じく今日、日テレの系列局の読売テレビでも、同局の音楽番組「カミオトの夜」をめぐり、読売テレビ管理職の男性が、下請けの制作会社Aに経費を水増しして読売テレビに請求させ、その分を現金で制作会社Aに請求し、自身の懐に入れていたという事件が明らかになった。これを受け、番組「カミオトの夜」は年内で終了するという。

　ジャニーズのジャニー喜多川氏による性加害事件で「メディアの沈黙」が指摘されるなどマスメディアの組織や体制に対して、世間の強烈な不信感を招いてきたが、今回の件でさらにテレビ局や新聞などのメディアへの世間の信頼度はさらに低下することになりそうだ。