中学生による”美人局（つつもたせ）”（＝男女が共謀して行う恐喝または詐欺行為の一種で、女性が男性を恋愛感情を利用して誘い出し、その女性の仲間の男性が慰謝料などの名目で因縁をつけて金銭をゆすり取る行為）のニュースが入ってきた。SNSやマッチングサービスを利用した少年や少女らによる同様の事案が相次いでおり、警察などは注意を呼び掛けている。手軽に恋愛や交際関係を築け、コロナ禍などで会社や学校など社会における人間関係が希薄化する中、普及しつつあるマッチングアプリやSNSでの出会いだが、匿名でのやり取りゆえに犯罪に巻き込まれるケースが目立ち始めている。

　読売新聞などの報道によると、2月12日大阪府中央区の雑居ビルで、男子大学生が、SNSを通じて知り合った中学生ら3人らから脅迫を受け、逃げようとした際に、ビルから転落し死亡する事件が起きていたことが明らかになった。大学生を死亡させたとして、大阪府警は中学生の男子生徒（15）と女子生徒（14）を強盗致死の疑いで逮捕し、男子生徒（13）を児童相談所（児相）に通告したと発表。

　なお、13歳の男子生徒が逮捕されないのは、刑法上14歳未満の少年は刑事責任を問われないためだ。同男子生徒に関しては別に、家庭裁判所の判断が下ることになる。

　SNSやマッチングアプリには匿名性が付きまとう。今回の事件において、亡くなった被害者の大学生の側にもろくに知らない相手に現実世界で会おうとするなど不注意な点があったことは言うまでもない。

　だが、一方で恋愛感情を利用する形で金品をだまし取ろうと思いいたった男子生徒や女性生徒の卑劣さや卑怯さは想像を絶する恐ろしいものだ。だが、彼らの存在は今や特殊なものではない。

　最近では、彼らのような、グリ下（大阪）、ドン横（名古屋）、トー横に集まるめぐまれない家庭環境に育った非行少年や非行少女の存在に注目が集まっている。彼ら彼女らが非行に走らないようにどう社会が彼らを管理し、更生させ受け入れるか、大きな社会的な課題をつきつけられている。