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ワイドナショーに出演、ryuchellさんの急死の話題で、メディアの報道の在り方について持論

 ジャーナリスト・キャスターの安藤優子氏(64)は16日に放送された、東野幸治がMCを務め芸能・エンタメ系ニュースを扱うフジテレビ系の番組「ワイドナショー」に出演し、報道のあり方について自身の持論を展開した。

 番組の中で安藤氏は、「ジャーナリズムは、そんな正義の味方じゃないんですよ。ときどきもすごくイエローだったりする」と発言し、ジャーナリズムの複雑性を力説し、「ジャーナリズムは正義の味方だぞ、っていう勘違いが入ったときに人を傷つける取材をすると思うんですよ」とし、そのうえでメディア人の1人として、「正義の御旗を振りかざすような勘違いの行動はしないほうがいい」と主張した。

 ryuchellさんの元妻pecoさんが滞在先のグアムから帰国した際に取材陣が殺到したことを取り上げ、番組の中では報道の自由を背景に、過剰な取材がおこなわれているのではないかというようなことが扱われていた。安藤氏としては、ネット上でのメディアやジャーナリズムへの批判は当たらないとしつつも、テレビや週刊誌などのメディアのジャーナリスト側にも一定の自主的な歯止めが必要だと主張したかったのだろう。

 ネット上では、安藤氏に対して「何にも理解していない」や「勘違いしている」といった厳しい言葉が並んだが、「テレビで言えることに限界がある」と言いたいことを言っていないのではないかと同情する意見や、「正論だ」や「よく言った」と称賛する意見もあった。

キャスター・ジャーナリストの安藤優子さんの画像(本人のインスタ画像より)

誹謗中傷の問題やryuchellさんの急死に関する「報道」について議論

 安藤優子氏は同番組の中で、12日27歳の若さで急死したryuchellさんについて、SNSなどで誹謗中傷を受けていたことについて番組内で取り上げられていた際に、誹謗中傷についてもコメントしていた。

 安藤氏は、「言葉の持つ力、ポジティブな面でもネガティブな面でも言葉って残るんですよ」と述べた上で、「言葉ってものを発するときの責任って本当に重いってことを繰り返し伝えていかないといけない。言葉って軽くない。残る」とSNSで誹謗中傷をおこなっている人に対して、その行為の責任と自覚を持つように訴えた。

 安藤氏はキャスターとして「言葉」の重さや、1つ1つのTV番組の中での言葉が不特定多数の人の人生や生活に影響を与えてしまうというメディアやマスコミの力の恐ろしさを認識し、そうした経験からの言葉かもしれない。

 確かに、安藤氏の言う通り、SNSは公開されている場所でありながら、他の人が見えずらくなり独り言を話すように、あまり存在する相手のことを考えないで投稿してしまうケースが多いのかもしれない。

 だが、一方で「ひろゆき」こと西村博之氏(46)は「陰口は悪くない」という指摘は大して意味がないと述べているように、安藤優子氏が述べている「言葉にもっと責任をもつべき」という意見を、現時点で誹謗中傷をおこなっている人間がまともに取り合うとは思えない。

 面と向かって相手に対して、罵詈雑言を述べるのは、たいていの人間にとってはばかられるものだ。だが、TwitterやInstagramなどのSNSを通じてであると、なぜかこうした礼儀や敬意といったものが失われてしまう。

 この問題は極めて難しい問題だ。

 その後、安藤氏は「報道のあり方」について持論を展開した。安藤氏は、「報道の自由とかね、それから言論の自由にも関わってくることなんですが、取材をするかしないかっていうのは、常に私たちが抱えているジレンマだと思うんですね。被害者の取材はする。だけれども、加害者については匿名で報じるっていう、アンバランスが生じたりもするわけですよ。これはそんなに軽い問題ではなくて、取材しなければいいだろうってもんでもないと思うんですね。私たちにしてみれば、取材をすることが仕事なので、取材をしないっていう決断をするっていうことは、仕事をしないっていうことに等しい時もあるわけですよ」と述べ取材はせざるを得ないと一定TVや週刊誌などの取材活動を一定擁護。

 ただ、一方でジャーナリストにも一定の自制が求められる点を指摘している。「私たちは正義の味方じゃないんですよ。ジャーナリズムっていうのは、時々ものすごいイエローだったりする。ジャーナリズムはものすごい正義の味方だぞって勘違いが入った時に、人を傷つける取材をするんだと私は思うんですよ。取材するしないではなくて、どういう取材をするかっていう内容について、私たちは正義の御旗を振りかざすような勘違いの行動はしない方がいいと思います」と自戒の意味も込めたような自身の追求するジャーナリスト像を明らかにした。

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