印象に残ったのは、副社長が顧客に謝罪、「これまで弊社は兼重のリーダーシップのもと、今や業界を代表する企業になった。その反面、あまりに強すぎるリーダーシップに頼り切りになっていた面も否めない」として涙ながらに「これまで弊社はすべての当事者に対して「改革をやり抜く」と訴えたところだ。社長は淡々と会見に応じていた一方で、次期社長が涙をこぼす姿は異様というか、兼重社長の辞任や今回の不祥事に何か思うところがあったのだろうか。

　これまで会見を開かず逃げ回っているような印象であったが、記者の前でしっかりと会見を行ったことは評価できる。だが、まだ調査は完全に行われておらず、そうした中で社長が辞任するというのは、いささか責任を逃れようとしている、辞任すれば責任を果たしたことになると思っているのかはわからないが、しっかりと調査を行い社長を含み関係者の処分や事実の解明ののちに辞任する方がよかったのではないかと思われる。（少なくとも、社長は今回の不祥事に関与していなかったと言い張るのならば。）

　今回の会見ではもちろん社長をはじめ経営陣などは謝罪し反省していることを表明していたが、結局適切な調査などがまだ終わっておらず、「経営陣の関与はなかった」や「保険会社の関与はなかった」と自らの会社や取引先の保険会社を証拠やそう信じるに値する説明もなく言い張られても疑わざるをえず、結局会社を存続することしか考えていないのではないかという非難を免れないだろう。

　今後、保険会社や調査の結果について再びビッグモーターが公表したり、国土交通省によるビッグモーターへの立ち入り調査が行われ、全貌が明らかになると思われるが、ビッグモーターの今の姿勢では「お客様の信頼を取り戻す」ことなどできないだろう。