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”りりちゃん”はnoteやフリマサイトで「頂き女子マニュアル」を2万円前後で、頂き女子に販売していた 孤独な男性の恋愛感情を利用し、彼女らの都合のよいATM化させるヤバすぎる手法とは…

 今月23日に住所不定、自称風俗店店員の渡辺真衣容疑者(25)、《ネット上では”頂き女子りりちゃん”として活動していた》が詐欺ほう助の疑いで愛知県警に逮捕された。逮捕のきっかけとなったのは、名古屋の20歳の女が愛知県内の男性2人から現金で合計1065万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで逮捕されたことだった。その捜査の中で、その女が、渡邊容疑者から「頂き女子マニュアル」を購入ていたことが発覚したことが分かると、警察は詐欺の手法を提供したとして、渡辺容疑者の身柄を押さえた形だ。

 今回の逮捕に至ったことで、ネット上や新聞・テレビなどではその渡邊容疑者(りりちゃん)の作成し販売していた「マニュアル」の中身に注目が集まっている。渡邊容疑者は、自身を”頂き女子”という概念の提唱者、「神」であると過去に語っていて、2021年には暴露系YouTuberとして名高い「コレコレチャンネル」のコレコレ氏のインタビュー動画にも応じ、顔出しで堂々とコレコレ氏に自身のスキームを自慢げに語っていた。そもそも、”頂き女子”とは何者なのだろうか、そして、この”頂き女子”の神と名乗る”頂き女子りりちゃん”(渡辺真衣容疑者)は何者なのか、逮捕された後も絶大なカリスマ性で一部の若い女性から支持されている彼女の実態を明らかにする。

Table of Contents

今回詐欺ほう助の疑いで逮捕された渡辺真衣容疑者(25)の画像(本人のYouTubeチャンネルよりスクリーンショットしたもの)
2021年のコレコレ氏(右)の動画に自ら出演した”頂き女子りりちゃん”こと渡辺真衣容疑者(左)

2021年の今回逮捕された”頂き女子りりちゃん”が出演していたコレコレ氏の動画

”頂き女子りりちゃん”にインタビューしていたコレコレ氏の画像(コレコレ氏の公式HPの画像)
渡邊容疑者(頂き女子りりちゃん)がネット上で販売していたと思われる孤独な男性などから恋愛感情を巧みに利用してお金を引き出すための方法が書かれたマニュアルの写真(毎日新聞の記事より:「おぢに魔法」SNSで指南 パパ活詐欺商材販売疑い「りりちゃん」(2023.8.25) URL:https://mainichi.jp/articles/20230824/k00/00m/040/320000c

やばすぎる”頂き女子マニュアル”の中身とは…

  マニュアルの中身の一部がネットなどで流出していたので、それに基づいてまとめてみたものだ。”頂き女子りりちゃん”こと渡辺真衣容疑者(25)は、こうしたマニュアルを数年前から、ネット上の記事などの文字コンテンツを販売できる「note」というサービスを介し販売したり、用紙に印刷しクリアファイルでまとめたものをネット上のフリマで販売していたとされている。だいたい料金は1万から3万円程度だったといい、男性からお金を引き出したい”頂き女子”の信者の女性らが購入していたとされる。

 今回名古屋で詐欺罪で捕まった女性もその購入した”頂き女子”の1人と言うわけだ。ただ、内容が異なるバージョンのマニュアルも販売されていたとされていて、いったいどれだけの女性らの手に渡ったかは不明だが、多くて数千、少なくとも数十冊が渡ったと推測されている。

 そのマニュアルは「頂き女子の参考書」や「みんなを稼がせるマニュアル」などと紹介されていて、正しくは『頂き女子の参考書~お金を頂くための設定と極秘会話法~』といったそうだ。

 売り文句として「私(渡辺容疑者)は経験上、ひとりの”おぢ”から300万円以上いただいています」や「『頂き女子』を極めたおかげで、毎日ホスト(クラブ)に通いながら毎月平均200万円を担当(するホストに)貢献することができた」などの言葉が並んでいた。渡辺容疑者は自身で言っているように日本有数の繁華街・歌舞伎町の住人だ。自身は風俗嬢などとして自身の身体を売ってでもお金を稼ぎつつ、そうして得たお金の全てをホストクラブでの自身の”押し”の男につぎ込み、そのホストの人気アップに貢献するといった、典型的な「ホスト狂い」の女性で歌舞伎町の闇の住人なのである。であるからして、それを買っていた女性らもそうした歌舞伎町やその他日本各地の繁華街に生息する闇の住人で「ホスト狂い」の女性だった可能性が高いといえるだろう。

簡単に”頂き女子”とは何者か、社会問題化している”パパ活”と何が違うのか?専門用語を紹介

 すぐに、マニュアルの中身の紹介にいきたいところだが、この”頂き女子”らの使う言葉にはいささか一般的な言葉の使い方と異なる部分や事前に説明しておいた方が分かりやすい部分があるので、手短に紹介したい。

”パパ活”と”頂き女子”の違い

 まず重要なのは、”頂き女子”とは何ぞや?という読者の方の疑問にお答えすることだろう。簡単に言えば、”頂き女子”はいわゆる”パパ活”の一形態と言えるのではないかと思う。そもそも、”パパ活”自体意味がなんとなく分かるようでわからないところがあるが、ネット上のWeblio辞書の「新語時事用語辞典」によれば、

「パパ活」とは、20代~30代の女性がパパと呼ばれる中年男性と食事とデートあるいは大人のカラダの関係を持つことで見返りとしてお手当と呼ばれる金銭を受ける活動のことを意味する表現。(weblio辞書 『新語時事用語辞典』による)

との記述がある。まさしく、実態として、”頂き女子”の活動は外形的には”パパ活”と同義といえる。ただ、違うのはその「戦略」というか「巧妙さ」の部分やある意味で「一攫千金」を狙う扱う金額の大きさではないかと思う。

 これは”リリちゃん”と呼ばれ「”頂き女子”の神」を自称していた渡辺容疑者が述べていたが、多くて1人の男性から1回で2000万円を引き出したと、コレコレ氏との動画で述べていた。ある意味、その「博打性」の要素も普通のパパ活”と違う点といえるだろう。

 加えて、渡辺容疑者は”パパ活”のネガティブさやうしろめたさを消すために、新しく”頂き女子”という言葉を作り出したといわれている。傍から見れば、好ましくない行為に変わりはないが、ある種の事故正当化というか自己催眠なのだろう。渡辺容疑者は、動画で、被害男性らを幸せにする対価として「お金を頂いている」という事を強調していた。言葉の端々からはそうした中年男性などの被害者男性への嫌悪感や「気持ち悪い」みたいな気持ちは伝わってこない、わざわざ相手(被害男性ら)を敬う謙譲語の「いただく」としていることからも明らかだろう。そうした言葉を使って自らを正当化していたのだ。

”おぢ”と呼ばれる彼女らにお金を渡す男性ら

 ”頂き女子”らは、お金をもらう対象の男性のことを”おぢ”と呼んでいる。”おぢ”と言うとおじさんの隠語か何かと思うが、おじさんという意味ではなく、単にターゲットとなる男性(中年にかぎらず30歳から高齢の男性まで)のことを指す言葉だという。つまるところ、彼らは”頂き女子”たちの都合のいい「カモ」である。

 あとで、”頂き女子”がかつどうするにあたり、ターゲットの男性すなわち”おぢ”の詳細な条件については述べるが、大人の男性であればだれでもいいわけではなく、孤独であったり女性関係が希薄な男性だったりそういう心理的に弱い男性を狙っていたらしい。しかも、経済的に豊かな男性をメインとしていたわけではなく、そうした心理的に弱い男性であれば、その男性に消費者金融に多額の借金を背負わせてまで、お金を引き出すケースも多かったという。

〔マニュアルの中身〕基本的なスキームは”信頼関係”の構築とアフターケアらしい…

 さっそく、マニュアルの中身について扱っていくが、一番のスキーム(手法)の柱はこの3つ、”リリコミット(信頼関係の構築)”、”魔法をかける”・”お金を引き出す”、”アフターケア”(トラブル防止)だろう。中でも重要なステップというか巧妙なステップが、お金を引き出す際のテクニックとアフターケアである。

第1段階、信頼関係の構築(”リリコミット”)

 かなり理論的に基本的なステップが考えられている。まず、引っかかりやすそうな男性”おぢ”を探した上で、ゼロから信頼関係の構築を始める。コレコレ氏との動画の中で、渡邊容疑者が説明していたが、ここで多いに活躍するのが”日常会話”のルールだという。

 渡邊容疑者は3つの会話のレベルを考案していた。”未来系子色恋会話”と”色恋会話”、”日常会話”の3パターンがあるとのことだが、このリリコミット(おそらく渡辺容疑者は自身のニックネーム”リリちゃん”から取ったのだろう)では、日常会話が重要になるとのことだ。

 コレコレ氏との動画では本人自ら実演してみせたが、

 上の会話の図で示したように、好きな食べ物の話から、うまく「一緒に食事に行く」という約束にまで結びつけることが重要だといい、会話をつなげると同時にボディータッチや感情表現を巧みに駆使し2人の関係が「親密」であるかのように雰囲気を作り出すことが”頂き女子”に求められると、渡辺容疑者は述べていた。

 日常会話というあたかも平凡なパートのようにも思われるが、そこかしこに「あざとさ」を注ぎ込むことで、少しずつそして確かに、その”おぢ”の男性の心を掌握するのである。こうした日常会話で少しずつ男性の心をその”頂き女子”に近づけさせていき、そしてしばらくしたら、「色恋会話」という男性の心を掌握に入り、だいたい1か月ほどでその男性は、”頂き女子”にお金をせがまれればいくらでも渡してしまうような彼女らのATMと化してしまうのである。

第2段階、”魔法をかける”と”おぢ”から”お金を引き出す”

 それが、”魔法をかける”と”お金を引き出す”のフェーズ(段階)だ。”魔法をかける”という言葉どうにも胡散臭いというか、魅力的な言葉のように見せかけている気がするが、要は男性からお金を引き出すために「最後の一押し」をするということだ。

 単純に、「お金をくれ」と言っても男性はなかなか受け入れないだろう。だが、この方法で”頂き女子”にお金を喜んで渡すようになるという。

 基本的なステップは4つで、①言いだし会話、②「お金に困っている」と直接切り出し、③その理由などをエピソードで伝える ④最後の殺し文句の構成だ。

 ①から③はまあ普通なのだが、④の最後の殺し文句や”おぢ”への押し込み方が尋常ではないのである。

 そもそも、”魔法”をかけようにも、その”おぢ”が”ガチ恋”(完全にその女性に惚れている状態)になっていなければいけないといい、そうでないと失敗するので欲張るのはいけないとしている。

 まず、女性は”おぢ”に、お金を引き出したいという本意を悟られないように、この話に「積極的ではない」ことを示すため、「はあ、どうしよう…」と単に困っていることや悩みごとを相談する体で男性に話をもちだす。

 その後、はっきりと”おぢ”に対して「お金で困っていること」を直接伝える。そのうえで、なぜ「お金に困っているのか」理由などをエピソードで例えば、家賃を滞納しているとか、借金取りに追われているとか、そういう切迫感のあり現実的な”設定”を語るという。ただ、ここで注意すべきなのが、情報を小出しで出すことだという。相手に情報を1つ1つ理解させ、相手に切迫感を与えるためだろう。あまりに1度に情報を話し過ぎると、”おぢ”がその話が作り話であるのではないかと疑いかねないこともあるのだろう。

 最後に重要となるのは、”魔法色恋会話”と渡辺容疑者は名付けていたそうだが、”おぢ”の恋愛感情に訴えかけ、その”おぢ”から理性を失わせることだ。例えば、お金を借りる際に、「もう大丈夫、私が自分で消費者金融で借りるから、何とかなる」みたいに自分で解決する方向に一度持って行って、”おぢ”を一度引き離すのだ。そうすることで、この話が本当であると信じ切り、「自分がなんとかしなければ」という恋人としての使命感から、喜んでお金を手渡すという。

 また、同様に「私バカだよね」とか「こんな私のこと嫌いだよね」などと女性が自身を卑下することで、”おぢ”にこの関係性が「お金のため」の関係ではなくて、真の恋愛関係であると感じさせ、相手から手を差し伸べたい心理状況にさせるというテクニックも存在するという。

 とにかく、最後に”おぢ”の心理的な不安を取り除くことで”おぢ”から喜んでお金をださせようとするのだそうだ。巧みに、その”おぢ”の恋愛感情や心理を揺さぶること、欲望を満たしてあげることでいとも簡単に何回かで数千万円もの金額をその男性から引き出すのだ。

第3段階 ”アフターケア”とその先の無限ループ・パンクまで

 その後重要になるのが「アフターケア」なのだという。渡辺容疑者本人が語っていたが、ここが”パパ活”との違いだと主張する。その後も、しっかり”おぢ”と向き合い心理的に寄り添っていくことを謳っている。だが、実態は再びその”おぢ”から何度かお金を引き出すための下準備というか、前工程に過ぎなかったようだ。まず、”アフターケア”では、大金をはたいてしまい心理的に落ち込む”おぢ”をケアすることや、お金を渡したことによる満足感を継続させることが重要だという。

 渡辺容疑者は「盛大に、お金を頂いた後に、『”おぢ”のおかげで助かったよ、ありがとう』と伝える」などと話していたように、”おぢ”の心理的満足感を最大化し再びお金を引き出せるように、その”おぢ”の恋愛感情を持続させるのだ。

 マニュアルによると、ここでいい加減な対応をするとトラブルすなわち警察への通報につながるため、きわめて重要なステップであると書いてある。具体的に”アフターケア”についてやるべきこととして、相手のおかげでどう助かったのか、何をいくら使ったのか、これからどうするのか、相手の助け舟がなかったらどうなっていたか、将来を予感させること、など”おぢ”の満足感を向上させたり、恋愛感情に訴えることを伝えることが推奨されている。

 このように、アフターケアを経て再び第2段階で再びお金を引き出し、そしてまた第3段階のアフターケアを繰り返し、どんどん”おぢ”からお金を引き出す。持ち金から、そして消費者金融に借金させてまで。そして、借金もできなくなるなど、その”おぢ”の資金がパンクすれば、少しづつ疑われないように自然にフェードアウトして他の”おぢ”に乗り換えるのだという。

ターゲットとなっている”おぢ”たち、”クソおぢ”とは…

 話は少し変わるが、このようにターゲットとなっている被害者男性たちには共通の特徴があるという。彼女らが”おぢ”と呼ぶ男性たちの特徴というか、”頂き女子”が狙うべきとされる男性の特徴として、上の図のような特徴があげられている。

 よく言われるように、一家の大黒柱として男性が規定され、男性は勤勉に仕事に打ち込むことが理想とされてきた旧来からの日本社会では、たいていの場合男性は仕事に忙殺され、友人と遊んだり、人間関係を豊かにするどころか、家族とさえ十分なコミュニケーションが取れない男性が多い。結婚していなかったり、もともと内気な人物ならなおさらだ。多くの日本人男性は孤独なのである。

「65歳になると、いきなり職場から放り投げだされて、路頭に迷う。妻は近所づきあいや人間関係が広いが、自分は妻ぐらいしか話し相手がいない。だが、妻は自分のことで忙しいといい私を煙たがる」、そのような状況にある日本人男性はかなりいるはずだ。

 そういう意味で、”パパ活”やこうした”頂き女子”が生まれてしまう背景に、仮に年収など経済的にある程度豊かであるが、精神的には仕事でボロボロで孤独で寂しいという男性が存在し、その穴埋めを求めるという男性らの需要が存在するという事があるかもしれない。

 ただ、どちらにしろこうした”頂き女子”に騙される男性にも問題はないわけではない。自分のストレスや不満のはけ口で女性にお金を渡して恋愛関係になろうとするのは、どう考えても健全な状態とはいえない。そんなに不満があるなら、別の方向にはけ口を作るべきだ。確かに金銭的に被害に遭っているわけだが、完全な被害者とも言い切れない気もする。ただ、”頂き女子”に関してはあまりに手法が悪質で気の毒な部分もある…。難しいところだ。

 渡辺容疑者は、理想的すなわち騙しやすい”おぢ”の特徴として、「①寂しがり・孤独、②趣味がない。生きがいを見いだせない。 ③人に頼られたことがない。④女性関係がほとんどない。 ⑤借金経験があり、金銭管理が苦手」などを挙げている。

 こうした性格や特徴を会話を進めるうちに”頂き女子”らは見極め、外れている場合やお金を引き出せる見込みがうすい場合は、すぐに損切りというかフェードアウト(消息を絶つ)するそうである。

 そうした、お金を頂ける、見込みのない”おぢ”のことを、”頂き女子”らは、”クソおぢ”と呼んでいるそうだ。そういった”クソおぢ”の特徴として、以下の点を挙げている。「①女性の身体目的の場合、②趣味がある場合、③自分にお金を使う人、④友達が多い人」などを挙げていた。

 こうした”クソおぢ”から大金を引き出すのは難しいとの判断だろう。あくまで”頂き女子”たちは、男性たちの恋愛感情を利用して、お金を吸い上げたいわけだから、以上のような人間では、相手をコントロールする形でお金を吸い上げることができないということだろう。

 こういった話を聞いていると、やはり「振り込め詐欺」や「オレオレ詐欺」といわれた特殊詐欺の部類と似たものを感じる。”頂き女子”たちは、私たちが”おぢ”たちの心を満たしてあげて救っていると行動を正当化していたが、どう見ても以前からある「国際ロマンス詐欺」と同様に詐欺なのである。

 こうした詐欺的な行為というのは、古今東西、”国際ロマンス詐欺”のようにどこにでもあるような話なのだが、やはり特段この問題を深刻にしているのはネット社会であることだろう。

 渡辺容疑者がやっていたことだが、彼女のような多少頭の切れる知能犯が、その知識をネット上でウイルスのような拡散力で発信していくことで、まったく知識のない人でもその「マニュアル」を購入したり、渡辺容疑者の情報発信を見たりすることなどで、次々とクローンのように模倣犯が生まれることである。

 上の画像では、いわゆる”頂き女子”たちが自慢げに自身の戦利品を同じ”頂き女子”らに自慢するSNSの画像だが(SNSで札束を見せつけることほど胡散臭い投稿はないと思うし、犯罪のにおいしかしないのだが)、「ワクワク感」とか「もっと頑張る」とかあたかも初めてのおつかいに成功した子どものような無邪気な文を書き連ねている。おそらく、悪いことをしている自覚はほとんどないというか、渡辺容疑者のようにむしろ自分は世界をよくしている、みたいに自惚れている人物もいるのかもしれない。

 「1撃、〇〇(万円)」などと報告するところを見ても、ゲーム感覚なんだと思う。軽い感覚で犯罪者に泣ている若者というと、最近の「闇バイト」を思いだす。高額な報酬を目当てで仕事を引き受けたら、強盗の仕事を引き受け都内の宝石店を強盗したり、資産家のお年寄りや女性の家などを襲い、人を殺す事件などもあった、あの問題である。

 もちろんこの問題の背景には、歌舞伎町のホスト部に通い自分の”推し”の男性を応援するために全財産をホストに投じる女性たち「ホスト狂い」の問題もあるし、若い女性の貧困の問題もあるが、それ以上に気軽に犯罪に走ってしまいかねない、いや若者を気が付くと犯罪者にしてしまうようなネット社会の恐ろしさを感じさせる。

 ”頂き女子”たちはおそらく自分のやっていることは”おぢ”たちへの慈善活動と自分を納得させているところがあり、下手をすると犯罪とは全く認識しないで加担しているケースもあるはずだ。渡辺容疑者が”パパ活”のネガティブイメージを払拭するため”頂き女子”という言葉を作ったように、ネット上で教祖のようなカリスマ性のある人物が「これは犯罪ではない」と正当化し、それを真に受けた信者らが良心の呵責なく、堂々と犯罪行為を行ってしまう。

 かつて、ネットを通じてヨーロッパにいるイスラム教徒の移民の子どもが感化され、イスラム過激派の戦士としてテロリストになってしまう問題が取りざたされていたが、インターネットが犯罪を拡散させていることを改めて感じさせる事件だった。

参考にした資料や文献・サイトなど

・『【ひとりの“おぢ”から300万】パパ活商材で逮捕の「頂き女子りりちゃん」が販売していた“極秘会話マニュアル”の酷い中身』(女性セブン・ニュースポストセブン記事)URL: https://www.news-postseven.com/archives/20230825_1898848.html?DETAIL (参照日:2023年8月25日)

・ライターの山野祐介氏のnote記事「逮捕された頂き女子「りりちゃん」のマニュアルには何が書かれていたのか」 URL: https://note.com/yamanoyy/n/n255722fe5515 (参照日」2023年8月25日)

・YouTube動画『【拡散希望】被害者大量…おっさんを騙して3億円稼いだ「頂き女子りりちゃん」の悪質すぎる手口と犯罪行為を公開 』(コレコレチャンネル KoreTubeより)https://www.youtube.com/watch?v=HWkUzxG7X6g&pp=ygUT44Kz44Os44Kz44OsIOmgguOBjQ%3D%3D (参照日:2023年8月23日)

・『《パパ活女子のカリスマ逮捕》「おぢには“病み営業”」りりちゃん(25)が作成したパパから大金を騙し取る‟魔法マニュアル”のすべて「もう闇金いこうかな…」』(週刊文春・文春オンライン記事)

URL: https://bunshun.jp/articles/-/65290 (参照日:2023年8月25日)

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