日大に再び警視庁の捜査のメスが入りつつある。今月8日には日大トップ・林真理子理事長らが記者会見をおこない、薬物の使用や所持はあくまで1人部員によるものだと、釈明し、事態収拾を図ったが、警視庁はまだアメフト部員の中に大麻を所持・使用しているものがいるとみて2度目の家宅捜索に踏み切った。

　警視庁は22日、東京都中野区にある日大アメフト部の学生寮に捜査員を派遣し3日以来２度目の家宅捜索をおこなった。同時に、関与が疑われる4人の部員に対して任意での事情聴取もおこなっていて、真相解明に向け動きを強める。

　今回の家宅捜索や任意聴取のきっかけは、すでに５日に逮捕された同部員で3年生の北畠成文容疑者（21）が新たに、「大麻（の植物片）は他の部員たちと一緒に吸った時の残り。複数の部員と一緒に吸った」などと供述したとのことで、アメフト部内で北畠容疑者を含めた複数人が大麻を所持及び使用していた疑いが出てきたことがある。

　日大はアメフト部における大麻や覚せい剤などの薬物問題について、部内の「薬物汚染」を否定し、あくまで「個人の犯罪」として片付けていた。だが、今回の家宅捜索や任意聴取で再び部員の中から薬物に関連して逮捕者が出れば、アメフト部の廃部の可能性も出てくる。実際、日大のスポーツ競技部を統括する澤田康広副学長は、8日の会見で仮定の話としつつも、「複数の者が関わっていたのであればそれ（廃部などの対応）を前提に考えなければならない」と話していた。

　また、NHKなどのメディアの報道では、アメフト部以外でも常習的に学生寮で薬物の所持および使用、加えて薬物の取引がおこなわれていたという、アメフト部以外の運動部の部員の証言が出てきていて、問題はアメフト部にとどまらず、日大の全ての運動部・スポーツ部門の問題、日大全体の問題に波及しそうだ。