2月22日から数日間に、大阪・南港にある大型商業施設ATCのシーサイドテラスに設置されている”ストリートピアノ”をめぐりネット上で賛否の分かれるような炎上騒動が巻き起こっている。

　この騒動のきっかけは、同施設のストリートピアノを管理している運営者が公式SNSアカウント（Xアカウント）「南港ストリートピアノ」を通じて22日に「練習は家でしてください」という注意喚起を旨とした文章と画像をアップしたことにある。

　投稿では、「ストリートピアノ演奏者の方へ」として、「練習は家でしてください」と呼びかけている。投稿によれば、そのストリートピアノはフードコート内に設置されてていて、一部の利用者がそのピアノを利用しピアノ練習をおこなうことで、フードコートを利用する人から施設側に苦情（クレーム）が寄せられているという。そのため、ストリートピアノの撤収を検討している状況だといい、ストリートピアノの利用者に対して「練習を重ねてつっかえずに弾けるようになってから」利用するよう求め、初心者などの練習目的での利用は「手前よがりな演奏は『苦音』です」と控えるように呼び掛けている。

　また、公式SNS上での投稿では「こんな掲示はしたくなかった、、というのが正直な気持ちです、、、」とし「こんなこと書かなきゃいけないなんて想定外でした。間違うのはしょーがないんです、、生身だから（絵文字）でも、人の練習聞かされる側はたまったもんじゃないんです」として改めて練習目的での利用をやめるよう呼び掛けた。

　SNS上では、施設側に擁護的な声が見られると思いきや、むしろ”ストリートピアノ”を設置している施設側への批判が相次いでいるといい、その中には「そもそもフードコート内にストリートピアノを設置している管理者の責任では」という声や、「だったらお金を払ってプロのピアニストを雇うべき」という声、「運営側が都合良すぎ」という批判的な声が見られた。

　wikipediaの「ストリートピアノ」という記事によれば、ストリートピアノはとは街中・街角などの公共の場所に設置された誰でもが自由に弾ける状態のピアノの通称。『街角ピアノ』ともいう。音楽を通じて人と人のつながりを生み出すといった趣旨を込めて設置されている」といい、「誰もが自由に弾ける」や「人と人とのつながりを生み出す」といったすべての人に開かれた形がその魅力といえるだろう。それだけに、今回の南港のATCの施設側の対応は、むしろ施設側の”ストリートピアノ”に対する見識が問われる事態ともなっていてなんとも皮肉的な状況である。